自然と人間の共生学ゼミでは国立公園での調査を実施。自然観察や公園の管理について学ぶ。(写真は富士箱根伊豆国立公園で環境省職員として働く卒業生のO.A.さん)

自然と人間の共生学ゼミナール

人・社会と自然環境の関わり方、共生方法を探る。
自然の絶景や希少な生物、風土や気候、生物多様性を守り、生かすための方法を学び、考えます。


国立公園、鳥獣保護区、世界自然遺産、ラムサール条約登録湿地、世界ジオパーク、ナショナルトラスト、サンクチュアリ……これらは「保護地域」と呼ばれ、自然環境や希少生物の保護などを目的に、さまざまなかたちで指定されたものです。本ゼミナールではこうした保護地域が持つ価値や意味、あるいは観光化による問題などについて理解を深めます。フィールドワークでは主に野外活動を行い、エコツーリズムや代表的な保護地域である国立公園の管理運営について、体験的に学びます。
また大きな社会問題になりつつある外来生物による被害、シカやイノシシ、クマなど大型鳥獣の分布拡大と個体数の急増、絶滅危惧種の問題など、人間の営みによって変わりつつある動物と人間の関係性についても正しく理解し、解決の糸口を見つけるための学びに取り組みます。視野を地球規模へと広げ、自然保護と活用の方法を考えていきましょう。

中島 慶二 先生
「事件は現場で起きて」います。法律や制度や予算、すべては現場の問題を解決するためにあるといっても良いでしょう。現場で課題をとことん突き詰め、方針を打ち立て、関係者の説得に力を尽くすこと、そうして得られた現場の改善などの成果や経験は他に代えがたいものがあります。「現場に始まって現場に終わる。」です。

Student Interview

フィールドワークが、自然環境への
興味を広げるきっかけに。


2年次の秋に参加した日光でのフィールドワークでは、自然保護に携わる国立公園のスタッフによるガイドを受けながら、一日中トレッキング。木の幹に残された爪の跡やフンなどを手がかりに野生動物の生態について学び、自然観察を行いました。以前はどちらかというと「インドア派」でしたが、国立公園や環境保全について学びフィールドワークに取り組むうちに、「現場」を訪れ、自然の中に身を置くことのおもしろさを知りました。

フィールドワークでの体験・実感が、
人と自然の共生を考えるきっかけに。


日光国立公園で目にしたのは、クマが木の幹を食べた跡や、シカが泥浴びをした跡。野生生物の営みに触れる経験は、人と自然が共生する環境について考え、専門ゼミで学ぶきっかけになりました。ふだん何気なく口にしている水や食べ物、衣類の原料など、生活に欠かせないモノが生み出せるのは、豊かな自然があるからこそ。フィールドワークやゼミでの取り組みを通して自然保護の大切さやおもしろさを知り、学びを深めることができました。