江戸川大学では、3年次に所属したゼミナールで専門研究を行い、4年次には卒業論文を執筆します。各ゼミの指導教員は卒業論文のうち優秀な論文を優秀論文として推薦します。優秀論文発表会では、優秀論文を執筆した学生がプレゼンテーションを行い、最も優秀な論文が選考されます。

2025年度優秀論文

「20代におけるLGBT当事者とマジョリティの認識の差に関する研究―多様な在り方の理解をめぐって―」
関 りおさん

【論文概要】
本研究の目的は、20代のLGBT当事者と、LGBT当事者ではない若者との間にみられるLGBTに対する認識の差異を明らかにすることでした。LGBT当事者の認識についてはインタビュー調査に基づく質的分析を行い、LGBT当事者ではない若者の認識については質問紙調査の結果を量的に分析しました。さらに、両者の結果を比較検討することで、認識構造の特徴とその相違点を明らかにしました。分析の結果、次の二点が明らかとなりました。第一に、LGBT当事者ではない若者は、LGBTの存在や社会的立場に対して概ね肯定的な印象を有しているものの、その理解は画一的かつ表層的な水準にとどまっていること、第二にLGBT当事者においては、その当事者内部の多様性が社会的に十分理解されていないと感じていることが示唆されました。

【選考のポイント】
社会のさまざまな制度設計において、当事者の視点は尊重されるべき重要な観点であるという問題意識を、研究計画の段階から明確に位置づけ、それを一貫して論文全体に反映させた点は高く評価できます。また、「多様性」という概念が、個々人の立ち位置や社会的背景によって異なる意味を持ちうることを的確に問題定義した点も、本研究の優れた特色といえます。テーマ設定および方法論の構築にあたっては、試行錯誤を重ねながら検討を深め、その結果として、多様性をめぐる現代社会の課題に対し一石を投じる意義ある論文となりました。