マスコミ自主講座OBがアナウンサーに!日下さんと振り返る番組制作の思い出とは

マスコミ自主講座OBで2026年春にアナウンサーとして福島中央テレビ(福島県)に就職した北見隼人さんが、講師の日下純さんとマスコミ自主講座の思い出、後輩へのメッセージなどについて、江戸川大学のスタジオで語ってくれました。

日下純さん(左)と北見隼人さん

――アナウンサーになろうと思ったきっかけは?

北見:子どもの頃から空を見るのが好きで、気象に興味がありました。高校生の時に房総半島を襲った台風15号に被災したことをきっかけに防災や災害報道に強い関心を持つようになり、マスコミ学科のある江戸川大学に進みました。被災していた時にずっとラジオを聞いていたこともあり、アナウンサーには漠然とした憧れがありました。それで1年生の時からマスコミ自主講座に入りました。

――そこで日下先生と出会ったのですね。第一印象はどうでしたか?

北見:現役のアナウンサーに会ったわけですから、「雲の上の人」という感じでした。普段話していると気がつかない読み方のクセやイントネーションを直していただいて、衝撃を受けたのを覚えています。

日下:そんなこと思っていたの!?笑 結構堂々としていたと思っていましたけど。北見くんは声はいいし、災害報道に興味があるだけあって、ストレートな硬いニュースを読むのは最初から上手でした。だからもっと幅広い読み方もあるということを共有していきました。災害報道とスポーツや地域のイベントとか楽しいお知らせの読み方は実は大きく違います。プロのアナウンサーはニュースの内容によって微妙に読み方を使い分けていて、だからこそ自然に聞こえるんですね。

――ラジオ番組では、ニュースだけでなくトークのセッションもありますよね。

日下:そうですね。台本はあるにしても「語る読み方」が必要になってきます。放送用の会話というのは、電波の先に聞いているお客さんがいる、という意識を持った会話なんです。スタジオにいる全員が一定の緊張感をもって、生放送で会話を届ける。これは、演者だけでなく、技術、制作スタッフに入った人にとってもいい経験になると思います。

北見:放送の向こうにいる相手を意識すること。原稿を直してもらったり、日下さんが放送の時に工夫していらっしゃることを見せていただいたりしながら、ただ自分が言いたいことを話すのではなく、「聞いている人が自分だったらどうしたらわかりやすいのか」を考え続けるようになりました。

――具体的にアナウンサーを目指したのはいつ頃ですか?

北見:マスコミ自主講座で同じ学びをしている仲間がそれぞれマスコミ業界を目指して就活を始める中で、自分は当初から憧れていたアナウンス職を受けてみようと思ったのです。狭き門で簡単には受からないことは覚悟していました。一般企業も含めて80社も受けました。書類の段階で落ちてしまうこともあり、いい意味で開き直ってきた時に第一志望のアナウンサー職で内定が決まりました。日下さんが伝えてくれた就活体験も大きな励みになりました。

日下:僕は50社受けて、正式に決まったのが卒業式の後でしたから。泥臭い就活でがんばって夢をかなえた人もいるということを伝えたいですね(笑)。

――日下先生は現役のアナウンサーでありながら、なぜ学生の指導にも力を入れていらっしゃるのでしょうか

日下:小学校5、6年生の時の担任の先生にとてもお世話になったんです。型破りな先生で一日中理科の実験をしたり、3時間目が終わった時に給食を持ってきたり。先生のおかげで理科に興味を持ち、気象予報士の資格もとりました。一つしか仕事を選べなければアナウンサーですが、幸いフリーになり、もう一つの夢をかなえたというわけです(笑)。

学生のみんなは一人ひとり得意なこと、不得意なことが違うのですが、突然「おっ、こいつ一つ積み上げたな」という瞬間を目の当たりにすることがあるんです。それも生放送中に起きることが多い。そういう経験ができるのが醍醐味だと思っています。自分自身、まだまだ現役なので仲間を育てる、という感覚で取り組んでいます。

北見:日下さんから学ぶことももちろん多いですけれど、仲間の良いところや工夫から学ぶことも多いです。

日下:学生同士の関係性ができてくると、学生が台本を書くときに「この人だったらこんなリアクションするだろう」と考えながら当て書きしたりして、よりおもしろいものができることがあります。1+1=2ではなくて、どんどん広がっていく感じですね。

――後輩にメッセージをお願いします

北見:高校生までは何の経験もなかったのですが、一歩踏み出すこと、やってみようかなと思うことが大切だと思います。江戸川大学にはマスコミ出身の先生も多く、自主講座ではそうした先生のアドバイスも受けられます。挑戦してみようと思う気持ちがあれば、挑戦できる土台、環境は整っていると思います。まずは、一歩踏み出して楽しむことから始めてもらえればと思います。

日下:誰もがみんな自信のない学生だったけれど、少しずつ努力を積み重ねた結果、夢をかなえた人がいる。近くにそういう人がいることで、自分とつながっていることがわかる。もちろん、夢があっても社会情勢や運によってすべての人がかなうわけではないけれど、挑戦してみようと思える。それが江戸川大学の強みであり、マスコミ自主講座の強みだと思います。就職はゴールではなく、スタート地点。北見くんもこれから迷ったら悩んだり、大成功したり(笑)。いろいろあると思いますが、一緒にがんばりましょう!

かつしかFMにて「江戸川タイムズ」を放送