鈴木 哲平

メディアコミュニケーション学部情報文化学科 准教授
博士(文学)

大学ではフランス語フランス文学を専攻し、そのまま大学院へ進みました。サミュエル・ベケットというアイルランド生まれのフランス語作家を研究してきたために、ある時点から、英文学への関心も強まり、フランス語圏スイスとフランスの大学院のあと、イギリスの大学院にも留学しました。最終的には日本の大学院で博士号を取得し、今は英文学とフランス文学にまたがって研究をしています。これまでいくつかの大学で、フランス語と英語を教えてきました。

研究分野:文学
専門分野:欧米言語文化


人類史上、感性のひときわ優れた人間が作り出した詩や小説、絵画、音楽などを「作品」と呼びます。また「作品」を集めたものを「文化」と呼びます。文化は人間の生活や習慣全般のことを指すこともあります。作品や文化がどのように出来上がっているか、また形成されてきたかを考えます。そのとき、言葉を細かく分析するという方法を使います。言葉が人間にとって最も繊細な表現手段だからです。
文化は世界中どこの国についても研究可能なテーマですが、私のテーマは、アイルランド、イギリス、フランスなどです。

専門分野の魅力・学ぶ上で大事なこと


私は英語やフランス語で、詩や演劇や小説を研究していますが、なかなかわからなかった意味が突然わかったとき、自分が考えていたけれど言葉にできなかったことを代わりにうまく言ってくれている作品に出会ったとき、自分の想像の枠をはるかに超えるような作品に出会ったときなどに、喜びを感じます。
大事にしていることは、ふだんから言葉の発する複雑な意味に興味を持つことです(ダジャレなどもバカにできません)。

研究テーマ


詩や演劇が、国境や言葉の壁を越えてどのような影響を与え合うかを研究しています。フランスに渡ったアイルランド人劇作家や、フランスで発展した象徴詩というジャンルの英語圏での受容などです。

最近の研究活動


・アイルランドのモダニズム詩における、フランスとスペインの影響
モダニズムとは、20世紀初頭ヨーロッパを中心に展開した「新しい芸術」を探求する運動のことです。イギリスやフランスからアイルランドへも広がったこの運動の中で、アイルランド人たちがフランスやスペインの作品やイメージをどう受容し、どう表現したのかを研究しています。

・英語教育と「教養」
日本人は英語学習に多くの時間をかけていますが、残念ながらそれを仕事に結びつける人は限られています。その中でも人が英語を学ぶことの意義を、「教養」の概念をとらえなおしながら、明らかにしたいと考えています。

担当科目


英語I・II・III・IV、フランス語III・IV、人間学演習 I・II、英語演習 I・II(情報文化学科) ほか

趣味


お笑い鑑賞(とくにおぎやはぎ):言葉のディテールを大切にするものとして、最近の日常文化の中では、お笑いは数少ない貴重な存在だと思います。言葉の遣い方、皮肉のきかせ方など、今の自分の一部として生きています。いわく、「人生に必要なもののほとんどは、おぎやはぎから学んだ」。
舞台制作:最近は全然できていませんが、テキストを読んであれこれ想像しながら、現実の空間や身体の動きをつくりあげるのは、独特の興奮をおぼえる作業です。
そのほか、テニス、食べ歩き、ドライブ、歌を歌う、語学など