2026.03.26

発表を行う木下華さん
社会学部現代社会学科1年の木下華さんが、3月20日(金)にラコルタ柏(千葉県柏市教育福祉会館)にて開催された手作り科学館 Exedra主催の「研究部 2025年度研究発表会」において、研究発表を行いました。
本発表会は、小中学生を対象としたジュニア研究者育成プログラム「研究部」の成果発表の場であり、1年間の研究成果が口頭発表および展示形式で披露されるものです。当日は、小中学生による多様な研究発表に加え、研究活動を支援する大学生や研究者も登壇しました。
木下さんは「異常気象はカメのハーレムを作るのか」というテーマで発表し、胚(卵)が経験する温度によって性別が決まる「温度依存型性決定」に着目し、近年の気候変動がクサガメの野生個体群に与える影響について考察しました。
発表では、
などが示され、特に近年の夏季気温の上昇が個体群構造に与える可能性について、データに基づいた考察が行われました。また、体サイズや甲羅の特徴から個体の年齢構成を推定するなど、フィールド観察とデータ分析を組み合わせた研究手法も特徴的でした。木下さんは、手作り科学館 Exedraでのボランティア活動を通して、自ら研究テーマを深化させ、学術的な視点から再構築しました。このような取り組みは、大学での学びが地域社会と接続される好例であり、実践的な学びの重要性を示しています。
■木下華さんのコメント
昨年、クサガメの解剖に取り組んだ小学生たちが、年齢と性別を調べた結果、オスの誕生年が同じ可能性を見出しました。その後、研究が止まっていたため、私が引き継ぎました。初めての研究で分からないことも多いですが、羽村先生や、クサガメの性決定の仕組みを研究されている駒澤大学総合教育研究部自然科学部門の赤司寛志先生にもアドバイスをいただき、今回の発表を迎えることができました。本研究を通して、データをもとに考察する中で、徐々に結論が見えてくる面白さを感じました。また、クサガメの解剖を経験し、体の構造や個体差を目で見て、指で触れて学ぶことができました。今後は、新たな発見を楽しみにしながら、さらに研究を発展させていきたいです。
■羽村太雅先生(手作り科学館 Exedra館長/本学非常勤講師)のコメント
当館のジュニア研究者育成プログラム「研究部」の成果発表会では、子ども達にロールモデルを示すため、プロの研究者による発表を実施しています。今回はさらに身近な大学生を代表して、木下さんに発表していただきました。力強く、それでいてユーモアあふれる発表は、子ども達はもちろん、会場にいた大人たちも魅了していました。
研究部には今年度、江戸川大学の4学科に所属する7人の学生がアシスタントとして参加し、子どもたちの活動をサポートしてくださいました。木下さんはその傍ら、自身でも研究に取り組み、最新の知見を切り開こうとしています。もともと自然に関する仕事に就きたいと語っていた木下さんが、「自然科学概論」で科学に関心を持ち、大学での学びを超えた挑戦に取り組んでいること、大変心強く、研究のさらなる発展を期待しています。
■佐藤秀樹准教授(ゼミ担当)のコメント
今回の木下さんの発表は、学びを自ら引き受け発展させていく姿勢を体現した、大変意義深いものでした。小学生の研究を出発点に、自身の問題意識として再構築し、データと仮説に基づいて考察を深めた点は、本学が重視する主体的・協働的な学びの好例です。また、気候変動という地球規模の課題を身近な生き物から捉え直した点も高く評価できます。今後のさらなる成長を期待するとともに、このような貴重な学びの機会をご提供いただいた羽村先生に心より感謝申し上げます。