2026.02.25

メディアコミュニケーション学部こどもコミュニケーション学科の中島金太郎講師(専門分野:博物館学史、歴史考古学)と、同学部情報文化学科の山口敏和准教授(専門分野:情報教育・教育工学)が、2月13日(金)から15日(日)にかけて、茨城県稲敷郡河内町で文化財の三次元計測技法を用いた調査を実施しました。本調査には、学芸員課程履修者のほか、有志学生を含む計6名も参加しました。
本調査は、全国大学博物館学講座協議会東日本部会2025年度研究助成に採択された「博物館収蔵資料の三次元計測・公開技術の検討および学生指導用教材の作成」に基づくものです。本研究では、学校教育の場で活用しやすい簡便かつ低価格な三次元計測手法や機材、ソフトウェアを比較検証し、誰もが実践できる計測方法と効果的な公開方法の確立を目的としています。
今回のフィールドワークでは、河内町内に所在する石碑・石造文化財および河内町歴史民俗資料室収蔵の民俗資料を対象に、スマートフォンによる三次元計測を実施し、アプリケーションソフトの性能評価とより良い計測技法の検討を行いました。
初日は、鈴木裕之教育長による河内町の歴史に関する講義を受けた後、生板地区・妙行寺の「三義人供養塔」、金江津地区・大洞院境内の「曲流舎句碑群」「福田市郎兵衛家宝篋印塔」「耕文舎句碑群」、同じく金江津地区の「常総板碑」の計測作業を行いました。各石碑は、3Dスキャンアプリ「Scaniverse」「Abound」を用いて計測し、あわせて地理情報システム「QGIS」により石碑の正確な位置情報を地図上に表記する作業も行いました。
2日目は、河内町歴史民俗資料室に収蔵されている民俗資料18点を計測しました。「Scaniverse」「Abound」に加え、3Dスキャンアプリ「RealityScan」と「KIRI Engine」も使用し、糸繰り機や田下駄などの木製品、柄鏡や鰐口などの金属製品を対象に、精度や再現性の比較を行いました。また、自然災害伝承碑で町内古河林に所在する「新利根川改修記念碑」2件および同猿島に所在する「新設閘門記念碑」の計測作業も行いました。
本調査の結果、各アプリの特性や3Dモデルの再現性、効果的な計測方法について知見を得ることができました。今回は人文系資料を中心に調査を実施しましたが、4月以降は「手作り科学館 Exedra」の協力のもと自然史資料の計測実験も行い、より汎用性の高い三次元計測技法の確立を行っていく予定です。本研究の成果は、2026年11月7日(土)・8日(日)開催予定の全国大学博物館学講座協議会東日本部会大会で口頭発表するとともに、同会研究誌『全博協研究紀要』への掲載を予定しています。
■中島金太郎講師のコメント
今回の河内町内の調査にあたっては、鈴木教育長、地域おこし協力隊の田畑則重先生、手作り科学館 Exedra 館長であり、本学非常勤講師および情報教育研究所客員研究員を務める羽村太雅先生をはじめ、多くの皆様にご協力いただきました。この場を借りて感謝すると共に、本研究の成果を河内町にフィードバックし、今後の発展に寄与できればと考えています。

鈴木教育長による講義

スマートフォンでの三次元計測

石碑の計測
<参考リンク>