2026.02.10
社会学部人間心理学科の長峯聖人講師(専門分野:社会心理学)らによる共著論文「悲しみと切なさの概念的異同」が、日本心理学会発行の学術誌『心理学研究』(第97巻2号)に掲載されます。
本論文は、日本人を対象に、「悲しみ」と「切なさ」という感情の違いを明らかにすることを主な目的としています。「切なさ」は、日本人にとって馴染み深い感情であり、歌や映像作品などの創作物においてもしばしば用いられています。しかし、「切なさ」に焦点を当て、その心理学的特徴を体系的に検討した研究は、これまでほとんど行われていませんでした。
そこで本研究では、「切なさ」との類似性が指摘され、基本的感情の一つとされている「悲しみ」に着目し、これらの概念的な違いについて検討しました。研究は3つの調査から構成され、いずれも18歳以上の日本人を対象としました。
研究1では「悲しみ/切なさが、他のどの概念によって説明されると思うか」、研究2では、「悲しみ/切なさが持つポジティブな機能は何か」、研究3では、「悲しみ/切なさが感じられやすい場面は何か」と「悲しみ/切なさと関連の強い他の感情は何か」についてそれぞれ比較を行いました。
その結果、「切なさ」は「悲しみ」と比較して(1)ネガティブな要素が弱いこと、(2)対人的な機能や創造性に関する機能が強いこと、(3)期待と現実のズレが認知されやすい場面で生じやすいこと、(4)ポジティブな感情とネガティブな感情の両方と関連するなど、両価的な特徴があることが明らかになりました。本研究は、「切なさ」の心理学的な特徴について初めて体系的に明らかにしました。
■論文情報
「悲しみと切なさの概念的異同」
長峯 聖人 講師