2025.12.18

メディアコミュニケーション学部マス・コミュニケーション学科の本多悟教授(専門分野:編集出版論、文章表現)のゼミ生が編集・発行した雑誌『あっちこっちば』が「日本地域コンテンツ大賞2025」MIE(Magazine In Education)部門で最優秀賞を受賞しました。

日本地域コンテンツ大賞は、全国で活動する地域密着型メディアの優れたコンテンツや地域社会への貢献を顕彰し、その価値を広く社会に伝えることを目的としています。MIE部門では、学生による地域メディア制作を評価・表彰することで、次世代の地域コンテンツ発信者の育成にも寄与しています。

本多悟ゼミでは、出版コンテンツ制作の基礎となる編集知識を習得し、分析・研究を通して一生使える「編集力」を身に付けます。その研究成果として、企画、取材、撮影、レイアウト、執筆など、すべての制作工程を学生主体で行い雑誌を制作しています。2025年1月に発行した『あっちこっちば』は、「銚子電鉄×海鮮」「成田線×レトロ」など、千葉県を走る鉄道路線ごとにテーマを設定し魅力を紹介する冊子であり、日本地域コンテンツ大賞の趣旨に合致すると考え応募したところ、このたびの栄誉につながりました。


■中川由菜さん(ゼミ長、マス・コミュニケーション学科4年)のコメント
マスコミ学科には日本全国から学生が集まります。私たちのゼミにも地方出身者が多くいます。江戸川大学のオープンキャンパスに訪れたり、マスコミ学科のホームページを閲覧したりする、千葉県になじみのない高校生──将来の後輩たちを読み手として想定したとき、「千葉とはどんなところか、どんな魅力があるのか」を紹介する冊子を作ろうというコンセプトが生まれました。そして、車がなくても公共交通機関で楽しめる場所に焦点を当て、「鉄道路線ごとにテーマを決めて魅力を紹介する」という企画が固まりました。夏休み期間に取材で走り回り、後期が始まってからは1月の完成を目標に編集作業に没頭していました。他の応募作品も拝見しましたが、いずれもクオリティが高く、コンセプトも明確で、素敵だなと感動しっぱなしでしたので、受賞は驚きでした。
■足尾葵さん(マス・コミュニケーション学科4年)のコメント
レストランの取材で私がカメラを持っていたところ、厨房の方が「良かったらこちらからどうぞ」と、調理している手元が撮れるよう案内してくださいました。このようなご協力のおかげで、通常では撮れないカットを掲載することができ、誌面がより豊かになりました。ご協力いただいた方々のために、撮影した写真を紙に印刷した際に現地での感動や本物の良さをなるべく損なわず再現しようと努力しました。
■妻神実咲さん(マス・コミュニケーション学科4年)のコメント
取材依頼にはとても苦労しました。電話、メール、InstagramのDMなどで連絡を試みたり、取材の趣旨や使用用途をまとめた書類を作成したりするなかで、うまくアプローチできず断られてしまうことも多々ありました。それでも多くの取材先が「学生さんのためなら」と温かく迎え入れてくださり、忙しいなか時間を割いて丁寧に説明してくださったおかげで、良い記事を書くことができました。
■武田仁美さん(マス・コミュニケーション学科4年)のコメント
見出しや構図デザイン、使用フォントなどについては旅行雑誌を参考にしつつ、特集する路線を担当するゼミメンバーごとに異なる感性が発揮され、読み飽きしない誌面になったのではないかと思います。賞金が出るような賞をいただけて、本当に嬉しいです。
■宮古侍音さん(マス・コミュニケーション学科4年)のコメント
64ページの雑誌制作は、私たち6人にとってかなりの分量でした。取材での移動距離、撮影データの処理、執筆作業、誌面レイアウトなど、多くの時間を制作に費やしましたが、その分だけ達成感も大きかったです。雑誌のタイトル『あっちこっちば』は、企画段階で「相当あちこち行かないとだね」と口にしたとき、ふとひらめいたもので、良いネーミングができました。とある喫茶店では、取材時に快くさまざまな料理を振る舞ってくださり、後日プライベートで訪れた際には、私たちの冊子を置いてくださっていて、とても感激しました。
■本多悟教授のコメント
ゼミ生の皆さんが夏休み中のプライベートな時間を割いて、自費で千葉県各地に取材に赴いてくれたことに対してあらためて深く感謝します。今回の評価を自信に、卒業後も頑張ってください。また、ゼミの1期生から3期生が毎年、雑誌制作に真摯に取り組んでくれたことで各種ノウハウが蓄積され、伝承されてきたことも4期生の最優秀賞受賞につながったと考えています。雑誌制作がもたらす教育的効果が今回の受賞で証明されたことをたいへんうれしく思います。
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