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2025.08.08

経営社会学科が海外研修の事前学習として黄仙惠教授を招き特別講義「韓国コンテンツのグローバル戦略」を実施

黄仙惠教授(城西国際大学大学院ビジネスデザイン研究科)

社会学部経営社会学科では、韓国のエンターテインメントビジネスおよびファッションビジネスへの理解を深めることを目的に、2025年9月に韓国研修を実施します。その事前学習の一環として、8月4日(月)、城西国際大学大学院ビジネスデザイン研究科の黄仙惠教授を講師に迎え、特別講義「韓国コンテンツのグローバル戦略」を実施しました。

黄教授は、韓国メディアおよび日本のコンテンツビジネスにおける実務経験を有し、『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』『韓国コンテンツのグローバル戦略 韓流ドラマ・K-POP・ウェブトゥーンの未来地図』などの著書でも知られています。

講義では、K-POPと韓流ドラマが近年急成長を遂げた背景について、時代を彩ったアーティストや象徴的な作品を取り上げながら、わかりやすく解説していただきました。特に、韓国コンテンツビジネスがグローバル展開を果たした要因として、流通による価値再生産の極大化を図るビジネスモデルに焦点を当て、PPL(プロダクト・プレイスメント)・OST(オリジナル・サウンドトラック)・海外販売といった「権利ビジネスの細分化」など、独自の仕組みについて詳しくご説明いただきました。

一方で、日本のように多くの観客を収容できる会場が韓国には少ないなど、韓国コンテンツビジネスにも課題や弱点があることにも触れられました。また、『SHOGUN 将軍』が2024年にエミー賞を受賞するなど、日本を含む「アジアのコンテンツ」が世界から注目されている現状についても紹介され、「コンテンツに国籍はない。日本と韓国の共同制作、「made by」による同伴成長を目指す好機ではないか」と、今後の展望を語られました。

さらに、約1か月後に韓国研修を控える学生たちに向けて、「聖水洞(ソンスドン)に行けば、現在の韓国で何がアテンションを集めているのかがわかります」といった、現地での具体的な見どころについてもアドバイスをいただきました。

身近なコンテンツをランキングや売り上げなど、具体的な数値データで示しつつ、その背景にビジネスの仕組みがあることをひもといていく黄教授の講義は、学生たちにとって非常に興味深く、時間を忘れるほど引き込まれる、濃密な100分となりました。

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