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2025.07.09

人間心理学科・長峯聖人講師らの共著論文が『International Journal of Psychology』に掲載

社会学部人間心理学科の長峯聖人講師(専門分野:社会心理学)らの共著論文「Beliefs About the Positive Functions of Sadness」が、Wileyが発行する『International Journal of Psychology』(第60巻第4号)に掲載されました。

本論文では、日本人を対象に、「悲しみ」が持つポジティブな機能について明らかにすることを主な目的としました。「悲しみ」は一般的にネガティブな感情とされていますが、認知的側面や社会的側面など、様々な側面においてポジティブな機能を有することが示されていましたが、一般の人々が「悲しみ」の持つポジティブな機能をどのように捉えているかについては今まで検討されていませんでした。

本論文は2部構成となっており、第1部では一般の人々が考える「悲しみの持つポジティブな機能」についてボトムアップ的に収集し、第2部では収集した機能語について数量的な評定を行い、それらを分析することで「悲しみ」の機能について分類を行いました。

研究の結果、「悲しみ」のポジティブな機能を表す語として43語が収集されました。また、これらの語に関する数量的な評定を用いた分類の結果、「悲しみ」のポジティブな機能は(1)共感性や対人関係に関する機能、(2)成長や前向き思考に関する機能、(3)合理的思考に関する機能、(4)創造性や人生への意味づけに関する機能、の4つに分類されることが示されました。本研究は、人々が日常における「悲しみ」をどのように制御・活用しているのかを理解するための一助になると考えられます。