2025.11.04

大塚良治 教授
社会学部現代社会学科の大塚良治教授(テーマパーク・観光まちづくり学ゼミナール)の、遊園地と鉄道の関わりについての論考が、一般社団法人日本交通協会が発行する季刊誌『汎交通』2025年度第II号に掲載されました。
同誌では、現代人の生活に根付く行事や慣習、スポーツや文化活動などと鉄道との意外な関係を紹介する連載「○○と鉄道」を掲載しています。大塚教授は、その第10回となる「遊園地と鉄道」を執筆しました。
本論考では、鉄道会社の社史などの一次資料を参照しつつ、江戸時代末期に登場した日本最初の遊園地とされる「花屋敷(現・浅草花やしき)」から、明治以降に鉄道会社が誘客や沿線開発を目的として開設した「電鉄系遊園地」の歴史的展開を紹介しています。さらに、戦後のレジャーブーム期に隆盛を極めた電鉄系遊園地が、1980年代以降、東京ディズニーランドに代表される「テーマパーク」が定着し人気を博していく中で、相次いで姿を消していった経緯にも言及しています。
大塚教授は、「遊園地を取り巻く環境は人口減少などで今後も厳しさを増すことが予想される」としつつも、西武園ゆうえんちの「昭和レトロ」をテーマにした再生や、富士急ハイランドの多彩なアトラクション展開など、人々を惹きつける新たな試みを紹介。鉄道文化の創造に寄与してきた電鉄系遊園地に対し、「これからも新たな可能性を追求し、鉄道と地域を元気にするとともに、ゲストに夢と感動を与え続けてほしい」と結んでいます。