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2020.04.13

人間心理学科・山本隆一郎准教授らの研究成果が日本健康心理学会の学術雑誌『Journal of Health Psychology Research』に掲載

Metacognitions Questionnaire-Insomnia 日本語版ならびにその短縮版を開発

社会学部⼈間⼼理学科の⼭本隆⼀郎准教授(専門分野:臨床⼼理学)らは、Metacognitions Questionnaire-Insomnia 日本語版ならびにその短縮版を開発しました。

慢性不眠の方は、寝床で「眠れなかったらどうしよう」「眠れないと次の日の仕事に支障をきたす」といった睡眠に関連する内容を繰り返し考えてしまうことにより、不眠が維持されていると考えられています。
こうした、睡眠に関連する内容を繰り返し考えてしまう方の特徴として、近年、「睡眠に関するメタ認知」が注目されています。睡眠に関するメタ認知とは、眠れないことや眠れない時に繰り返し考え事をしてしまうことについての考え方であるメタ認知的信念(例:「眠れないということは自分で自分を制御できないということだ!」「布団で考え込むことは眠れないサインだ!」)と、眠れないことや眠れない時に繰り返し考え事をしてしまうことについての対処についての考え方であるメタ認知的プラン(例:「眠りにつく前にあれこれ考えることはやめなければ!」「眠れない時には眠れるように努力をしなければ!」)に大別されます。
このような「睡眠に関するメタ認知」の個人差を評価する方法として、海外では
Metacognitions Questionnaire-Insomnia(MCQ - I)という質問票が開発され、基礎研究に活用されています。本研究では、この MCQ-I の日本語版を作成しました。また、各項目の分析や信頼性、妥当性の検討を行いました。
今後は、この MCQ-I を活用し、慢性不眠に悩む方の特徴を理解したり、新しい心理学的支援を検討することが期待されます。

本研究成果は、日本健康心理学会の学術雑誌『Journal of Health Psychology Research』(2020 年 3 月 31 日早期公開)に掲載されました。

発表者
江戸川大学 社会学部 人間心理学科 准教授
山本隆一郎

山本隆一郎 准教授

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