ひらめき☆ときめきサイエンス2013開催報告

ひらめき☆ときめきサイエンス眠りの不思議を科学する開催報告

眠りの不思議を科学する~夢や金縛りの謎を解く~


開催日:平成25年8月1日(木)
実施機関(実施場所):江戸川大学(C棟睡眠実験室等)
実施代表者(所属・職名):福田一彦(社会学部・教授)
受講生:高校生3名

ポイント

受講生に分かりやすく研究成果を伝えるために、また受講生に自ら活発な活動をさせるためにプログラムを留意、工夫した点として、事前に「睡眠票(sleep log)」という睡眠を記録するための質問紙を郵送し、自分自身の睡眠習慣を記録してきてもらい、当日、自らデータを入力し解析の準備を行なってもらった。このようにして自らの問題として興味を持って取り組んでもらえるように工夫を行った。また、「眠りに関するクイズ」も事前に郵送し、自分で考えて当日までに答えを書いてきてもらい、講義の最後に答え合わせを行い、睡眠について考えてもらう動機づけを高める工夫を行った。

当日のスケジュール

9:30~10:00受付
10:00~10:30開講式(あいさつ、オリエンテーション(眠りのクイズ)、科研費の説明)
10:30~11:20講義「眠りと夢の不思議について(講師:松田英子)」
11:20~12:30実習「自分の生物リズムを解析してみよう。健康的な眠りかな?」
12:30~13:30ランチタイム・質問タイム
13:30~15:30実習「脳波をとってみよう。眠くなると脳波は変わるのかな?」
15:30~15:50休憩(クッキータイム)
15:50~16:40講義「金縛りの不思議、眠りと成績・病気との関係(講師:福田一彦)」 眠りのクイズ再挑戦
16:40~17:00修了式(アンケート記入、生物リズムの解析結果の説明、未来博士号授与)
17:00解散

実施の様子

開講式(あいさつ、オリエンテーション(眠りのクイズ)、科研費の説明)

睡眠研究所所長・高澤則美先生から開会の挨拶をいただいた後、本日の流れと「科研費についての説明」を福田が行った。

講義「眠りと夢の不思議について(講師:松田英子)」

松田英子先生が、夢や悪夢のメカニズムや興味深い悪夢の事例などについて講義を行った。

実習「自分の生物リズムを解析してみよう。健康的な眠りかな?」

データ入力を自ら行った。教員や学生が入力方法などを説明し比較的スムーズに入力処理を行う事が出来た。

実習「脳波をとってみよう。眠くなると脳波は変わるのかな?」

睡眠実験室で脳波をとるために「被験者」(参加者から一人立候補してもらった)に電極などを装着した。脳波計で脳波や眼球運動などがどのように記録されるのかを説明し、実際に睡眠の脳波記録を行い、観察と解説を行った。

講義「金縛りの不思議、眠りと成績・病気との関係(講師:福田一彦)」眠りのクイズ再挑戦

金縛りは心霊現象などではなく、生理学的に説明できる現象である事を説明し、物事を「科学的に考えること」の大切さについて説明するとともに、規則正しい睡眠習慣は、心身の健康(うつ病や死亡率の増加や癌のリスクの上昇)と関係し、学業成績とも関係する事を説明した。

修了式(アンケート記入、生物リズムの解析結果の説明、未来博士号授与)

自分の眠りのリズムの解析結果を返却。規則正しい生活かどうかを考察してもらった。最後に、本学の市村学長から直接ひとりひとりに修了証書(未来博士号)の授与を行った。「眠らない」で、集中して参加してくれました。お疲れ様。

事務局との協力体制

広報課との緊密な連携、強力なサポートにより、広報活動や当日までの準備、また、当日の実施、解散後の片付けに至るまで、実施代表者らと協力して最後まで実施することが出来た。

広報活動

広報課との緊密な連携により、チラシやポスターの作成、チラシの配布などを行った。昨年度、中学生を対象にした時には、学術振興会のWebsite経由で非常に早い段階で定員に近い参加者が集まったため、今年も同様と考えていたところ、高校生は応募がおもわしくなく、この点については今後に向けての課題となった。

安全配慮

データのコンピュータ入力や脳波などの計測には、危険は一切伴わないものであるが、万全を期して、全ての参加者を対象に傷害保険に加入した。

今後の発展性、課題

宣伝の問題があり少人数での実施であったが、かえって実施者と参加者、参加者の保護者との間の距離が縮まり、大変よいプログラムとなった。また、昨年度の反省を踏まえて、短時間ではあったが、一人ひとりの脳波をとる事が出来、その点も、お子さんたちにとって、興味深かったようである。来年度以降についても是非実施したいと考えているが、内容等については検討中である。また、当日は非常に暑かったので、熱中症対策などについてもより工夫する必要があると思う。