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睡眠研究所

睡眠研究所主催・柏市共催「すいみんの日」市民公開講座

テーマ「睡眠のウソ・ホント 貴方の疑問に答えます」

日 時:9月2日(土)14時~16時(13時30分開場)
会 場:アミュゼ柏 クリスタルホール
定 員:350名 ※先着順。定員になり次第、締め切ります。
参加費:無料

睡眠については、その関心の高さからテレビなどのマスメディアやウェブなどのネットメディアから大量の情報が提供されています。しかし、その中には、根拠のないデマや、科学的な装いをとりながらも根拠が薄弱な主張が混在しているのです。今回の公開講座では、「睡眠のウソ・ホント」と題して、眠りにまつわる都市伝説を解き明かして行きたいと思います。
また、後半では、睡眠のプロフェッショナルでも判断が難しい問題も含めて、当日参加している専門家5名でパネルディスカッションを行います。自分自身やご家族の眠りを見直す機会とされることに加え、眠りの新知識を得るチャンスでもあります。ふるってご参加いただきますようお願い申し上げます。

後援: 日本睡眠改善協議会、精神・神経科学振興財団、日本睡眠学会、柏市教育委員会


第一部 「眠りのウソ・ホント」

白川修一郎 氏(睡眠評価研究機構 代表・江戸川大学睡眠研究所 客員教授)

睡眠については、さまざまな説がネットに流れています。睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠から構成され、その周期はほぼ90分で、レム睡眠は脳が活性状態にあるので、レム睡眠の時に目覚めるように起床時刻を設定すれば、すっきりと目覚められるはず。したがって、90分の3倍の4時間半の睡眠でもすっきりと目覚められる。牛乳には入眠を促進するトリプトファンが、レタスやケールには眠気をさそうメラトニンが多いので、就寝前に飲んだり食べたりすると良い睡眠が得られる。長い時間寝ていると、活動時間が短くなるので肥満する。睡眠時間を削って勉強時間に充てた方が成績は向上する。睡眠は認知症の予防に効果がある、などなど。このうちの幾つかは都市伝説です。講演では、「睡りのウソ・ホント」について、科学的根拠を示しながら皆様にお話しします。多くの人がいまだに硬く信じている睡眠の都市伝説は、実に多いのです。

======白川修一郎 氏プロフィール=======


医学博士。睡眠評価研究機構の代表であり、日本睡眠改善協議会の常務理事。国立精神・神経医療研究センター及び東京都医学総合研究所で客員研究員も務める。本学江戸川大学の睡眠研究所客員教授。専門分野はメンタルヘルスと睡眠。著書・編書は、「睡眠力を上げる方法」(永岡書店, 2013)、「応用講座 睡眠改善学」(ゆまに書房, 2013)、「睡眠マネジメント」(NTS出版, 2014)、「ビジネスパーソンのための快眠読本」(ウェッジ, 2016)など、多数。


第二部「寝具のウソ・ホント」

松浦倫子 氏(上級睡眠改善インストラクター・睡眠評価研究機構)

眠るとき、一番身近にある睡眠環境が敷寝具や掛寝具、枕、そしてパジャマといった寝具です。寝具は比較的容易に改善できる睡眠環境です。機能性をうたった商品もたくさん目にするようになりました。寝具選びに迷ったことがある方も少なくないでしょう。敷布団は硬い方がよいのでしょうか?眠りに一番よい枕の素材は何でしょうか?夏は裸に扇風機で寝るがよいのでしょうか?冷え性の人は靴下をはいて寝た方がよいのでしょうか?夜眠っている間、私たちはただじっとして動かないわけではありません。一晩を通して体温は変化しますし、寝返りもします。寝具にはこういった身体の変化を助けて眠りを守る役割があります。一方、寝具だけでは改善できない眠りの悩みもあります。また、寝具にこだわりを持ちすぎるとかえって眠れなくなってしまうこともあるのです。眠りのしくみと寝具の役割を理解して、都市伝説に惑わされることなく自分に合った寝具で快適な眠りを実現しましょう。

======松浦倫子 氏プロフィール=======


睡眠改善シニアインストラクター。睡眠評価研究機構、S&Aアソシエーツにて研究員を務める。江戸川大学睡眠研究所客員研究員。睡眠を専門に研究する大学研究室に所属し、博士号を取得。寝装品メーカーの研究所を経て、現在職に至る。著書に『快適な眠りのための睡眠習慣セルフチェックノート』(全日本病院出版会, 2015)(共著)などがある。


第三部「夢のウソ・ホント」

福田一彦 江戸川大学教授(江戸川大学睡眠研究所長・日本睡眠学会理事)

夢というとフロイトの夢判断を思い起こす人が多いと思います。自分自身の見た夢をとても気にして、その夢を解釈することが役に立つと考えている人も多いようです。しかし、フロイトが述べたことのほとんどは彼が治療した数少ない神経症の患者などから得られた「推測」に過ぎず、残念ながら科学的な根拠があるとは言えません。悪い夢を見ると気にする人も多いようですが、実は、夢には悪い夢が比較的多く、悪夢そのものを必要以上に気にすることはないのです。しかしながら、悪夢がある種の問題に伴って増えたりすることも事実なのです。さらに、夢はいわゆるREM睡眠で見ると言われていますが、ウソではないものの、REM睡眠以外の状態で皆無であるとも言えないのです。このように睡眠と夢に関しても一般の方々の知識と科学的知識との間には少々ズレが存在します。当日は、夢に関する新しい知見などについてお話します。

======福田一彦 教授プロフィール=======


1958年柏市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学、東邦大学より医学博士授与。1994年Brock University (Canada) にて研究に従事。1988年より福島大学教育学部及び共生システム理工学類教授を経て2010年より現職。著書に「金縛りの謎を解く」(PHPサイエンスワールド新書)(単著)などがある。


パネリスト:浅岡章一 (江戸川大学准教授・日本睡眠学会評議員)・山本隆一郎 (江戸川大学准教授・臨床心理士)


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