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国立公園研究所

国立公園写真エッセイ

「尾瀬国立公園」

<撮影・執筆者の情報>

執筆者・所属先:佐藤 秀樹講師
江戸川大学 社会学部現代社会学科/国立公園研究所 研究員
撮影年月日:2019年9月28日
撮影場所:尾瀬国立公園

秋の気配が感じられる尾瀬国立公園を歩いていると、とてもしっとりとした気分になりました。早朝、鳩待峠の休憩所から山の鼻ビジターセンターまでの下り坂の続く山の中でのトレッキングは、森の発するマイナスイオンで体が癒され、夜行バスで来た移動の疲れをとってくれるように思いました。川上橋の上から尾瀬の渓流を覗いてみると、イワナのような黒い魚の影を発見しました。尾瀬の豊かな自然がもたらす透き通った綺麗な清流やそのせせらぎに耳を澄ますと、初心に帰った気持ちになりました。
日が昇った午前に、山の鼻から牛首を通り、竜宮まで行ったトレッキングでは、壮大な尾瀬ヶ原の自然環境の景色に魅了されました。尾瀬ヶ原の爽やかに吹く風を感じながら、歩く時間を忘れさせてくれるぐらい心地よい気分になりました。木道から草原を眺めると、ワレモコウ、オクトリカブトの色鮮やかな植物や、カルガモの姿を観察できました。
尾瀬は、これから本格的な秋、そして冬の季節へとなります。ここを訪れる観光客が五感を通じて尾瀬の自然、動植物の魅力やそれらを保全していくことの必要性を十分に感じ、後世へ伝えていってほしいです。