研究所・センター
国立公園研究所

国立公園写真エッセイ

「雲仙湯けむり物語 キリシタンの意思の強さ」

<撮影・執筆者の情報>

国立公園:雲仙天草国立公園
所属:自然公園財団 雲仙支部
名前:入江 大樹(江戸川大学卒業生)
撮影年月日:2018.9.12
撮影場所:雲仙地獄(清七地獄)

茨城から長崎へ、家族と別れ就職先に赴任したときのこと。日が暮れるころ目的地である雲仙にたどり着いた。そこで最初に見たものは地獄だった。道路に白い煙がモクモクと出ていた。恐る恐る車で通ると煙に包まれ何も見えない。「怖ぇー!怖ぇー!」と叫びながら通ったことを覚えている。
あの湯けむりは雲仙にある全部で 30 もの「地獄」と呼ばれる地熱地帯から出ているものだ。そして通った道の横には「清七地獄」。戦国時代に九州にキリスト教が広まるが、後に徳川幕府により弾圧され、キリシタンは雲仙地獄で処刑される。「清七」という男が処刑された時に地獄が噴出したことから名付けられた。私が強くひかれたのは、キリシタンが処刑や拷問を受けても信仰を守り続けたことだ。人の意思の強さを見せつけた歴史を知った。
私はキリシタンを見習おうと思った。雲仙お山の情報館に勤めて 3 年。迷いがありながらも選択し、後悔しつつも前に進んだ。多少は強くなれたのではないだろうか。それでもキリシタンの意志の強さには敵わないけどね。