研究所・センター
基礎・教養教育センター

教員紹介

中原 真祐子

基礎・教養教育センター 講師
博士(文学)

フランスの哲学者アンリ・ベルクソンの思想を中心に、哲学・倫理学を研究してきました。ベルクソンは、人間の心ってなんだろうか、自分の心のなかは言葉で表現できるのだろうか、といったことを考えた人でした。私自身、大学生のころ自分のことを書いたり話したりすることにいつも違和感を覚えていていて、それもあってベルクソン思想に惹かれたのだと思います。
大学での仕事としては、2017年から2020年まで江戸川大学でアカデミック・スキル演習を担当し、高崎経済大学、上智大学でも初年次教育を担当してきました。大学1年生のみなさんが、大学という場所に慣れ、楽しく勉強できるようになるためのお手伝いがおもな仕事です。

研究分野:哲学
専門分野:哲学、倫理学


哲学は、ものごとの根本にある原理を考える学問分野です。世界って何でできているんだろう? とか、私を私として成り立たせているのはなんだろう? といった問いを考えます。ただ、ゼロから考えるのではなく、過去にそうした問題について考えた哲学者の文章を手がかりにすることが多いです。書物として残された文章を読み解き、その思考をたどりながら、この世界のものごとの根本にある真理に近づこうとすることが哲学研究の仕事です。

専門分野の魅力・学ぶ上で大事なこと


哲学を学ぶ魅力は、モヤモヤした違和感を明確に問いにする能力が身につくことです。みなさんの中にも、新しい環境での自己紹介ってなんか苦手だな、という人がいるかもしれません。「なんか苦手」と思うだけだと漠然としていますが、自己紹介とはそもそもなんだろう、紹介する「私」とはどういう存在なのだろう? と問いを明確化していくと、少しずつ答えに近づくことができます。世界すべてをいきなりは分からないけれど、分かることを増やしていくための考える方法を学べます。

研究テーマ


私の研究テーマは、フランスの哲学者アンリ・ベルクソンが、人間の心をどのように捉えているのかというものです。ベルクソンは今からおよそ100年前に活躍していた哲学者です。100年前というとすごく昔のように感じますが、電話や映画が発明され、現代社会の基礎ができつつあった時代です。そんな時代の哲学者が人間の心をどのように捉えていたのかを知ることができれば、現代に生きる私たちが直面するさまざまな問題を考えるヒントになるのではないか、と思い研究しています。

最近の研究活動


最近は、ベルクソンそのものへの関心に加えて、その思想の広がりにも関心をもちはじめました。今はベルクソンの思想が大正時代に日本に紹介された時に、日本の人々がどうその思想を受容したかを調べています。大正時代の雑誌をOCRというプログラムで読み込み、得られたデータに対してテキストマイニングを試みることで、思想の傾向を掴むことができないか、人文情報学的なアプローチを用いながら試行錯誤しているところです。

担当科目


アカデミック・スキル演習I、アカデミック・スキル演習 II、哲学概論