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2017.05.09

社会学部人間心理学科の 2016 年度優秀卒業論文の紹介

社会学部人間心理学科の 2016 年度優秀論文発表会で、1 位に選ばれた齊藤美帆さんの卒業論文「断眠が友人関係における透明性の錯覚に与える影響」を紹介します。
齊藤さんが所属していた浅岡章一准教授のゼミナールは、睡眠やヒトの認知機能の実験的研究、脳波などの精神生理学的指標を用いた研究を行っています。

「断眠が友人関係における透明性の錯覚に与える影響」
2016年度卒業生 齊藤美帆さん(浅岡章一ゼミナール)

<論文概要>
対人場面において、ヒトは自分の心の状態が他人に伝わっている程度を過大評価する傾向にあり、このような傾向は「透明性の錯覚」と呼ばれています。この研究では、この「透明性の錯覚」に与える断眠 (徹夜) の影響が検討されています。実験では 2 人 1 組の大学生 20 組を対象に、一方の参加者が選んだカードをもう一方の参加者が推測するという課題を実施しました。その結果から、課題中の自分の表情に感情が漏れ出てしまったと過大評価する程度が、眠気の強い状態で強くなることを明らかにしています。

<選考のポイント>
実験社会心理学的テーマである「透明性の錯覚」と、生理心理学・睡眠心理学的テーマである「眠気」を組み合わせることで生まれた本研究のオリジナリティが非常に高く評価されたと考えられます。発表会でのプレゼンテーションも素晴らしく、質疑応答の時間には非常に高いレベルのディスカッションが行われました。

なお、本研究の内容は、本年 5 月に江戸川大学で開催される第 35 回日本生理心理学会大会でも発表される予定です。

「断眠が友人関係における透明性の錯覚に与える影響」要旨

<参考リンク>

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