海外専門研修
台湾専門研修

体験レポート

2016 年度 台湾海外専門研修体験レポート


台湾専門研修を終えて~海外にでて分かった故郷~ 【現代社会学科 及川 瞭さん】

これまで、日本から出た事の無かった私が初めて国外の台湾の地に降り立って感じたことは、国同士が近いということもあるのかもしれないが、新鮮さというよりは親近感の方が強かった。何故か所々、私が幼少期から暮らしていた神奈川県にそっくりだったのである。周りの人は「 これが台湾か」 と感激していたが、私から見ると人々が賑わう海の近くの観光地“九份”は“江ノ島”であり、陽明山国立公園の壮大な噴気孔は黒卵が有名な箱根の“大涌谷”、そして夜中の台北駅にホームレスが多くおり一緒にいた先輩は驚いていたが、これはひと昔前の“藤沢駅”である。不思議な事に空気や言葉といった物は全く異なるのに随所に似た風景があるので、私は今までない妙な感覚に陥った。神奈川を見ているようで違う物を見ている。普段、日常的に内側から見ている神奈川ではなく、外から神奈川を見ているような感覚、おかしなことだが私は台湾にきて台湾ではなく外から見た神奈川をみていたのだ。今回の研修は外を見ることで内を知るということが自分の中のテーマだったのかもしれないと私は考えている。
 研修の本来の目的である台湾の国立公園見学に関しては、太魯閣国家公園、陽明山国家公園と特徴的で自然豊かな魅力的な場所が多く、全ての場所の魅力を書くときりがない為、今回は割愛し、最も印象に残った太魯閣国家公園について焦点を当てていく。
 太魯閣国家公園は 1937 年に当時の台湾を統治していた日本により設立の動きが始まったという歴史を持つ国立公園であり、水墨画のような太魯閣渓谷の壮大な景色、日本ではなかなか見られない巨大な大理石の岩肌、多種多様な動植物の数々、その自然に育まれた先住民の文化など、多くの特徴的な魅力をもち、台湾の人々にとって誇りともいえる国立公園である。今回、その太魯閣国家公園をボランティアガイドの「 リエさん」 に案内をしていただいた。リエさんは元々日本に住んでいた方で、日本語と台湾語を話すことが出来るバイリンガルである、日本では初対面の人を名字で呼ぶことが多いが、台湾では同じ苗字が多い為、下の名前で呼ぶことが多いそうだ。リエさんからは太魯閣国家公園の管理状況、先住民タイヤル族の歴史と現状についてなど、一般的な自然解説や魅力のみならず、私たちが勉強をしている専門的な公園の管理の実態やその裏事情についての説明をしてくれた。私が太魯閣国家公園で最も思い出深いのが昼食にレストランで食べた先住民タイヤル族の民族料理である。

 タイヤル族とはおよそ 300 年前から太魯閣に住んでいる先住民であり、顔立ちは台湾に多いアジア系というよりはアイヌ系の彫りが深い綺麗な顔をしている、帰国後に調べたところ、あの有名なビビアン・スーはタイヤル族の血筋だそうで、世界的にも美形な民族のようである。
今回私たちはそんなタイヤル族の方たちが作った民族料理を食べることが出来た。料理の見た目はまさにエスニック風であり、観光客向けに味付けを本来の物と変えているが、梅を主体としたドリンクや豚肉を使用した料理などタイヤル族の暮らしに触れることが出来た。正式な名称は分からないが、竹の筒にご飯を詰めた、かつてのタイヤル族の弁当をタイヤル族の従業員が常備された岩にたたきつけて筒を開けてくれるというパフォーマンスも見た。料理の味は素朴で優しく、身体に良い物を使用しているのが食べていて分かる。上記の他に、イノシシの形をした容器の口から飲むお酒や、米を使ったスープ系のデザートなど、観光的に楽しみながらタイヤル族に興味を持つことが出来た。
 太魯閣国家公園では雄大な自然の中で民族の伝統に美味しく触れることが出来て、研修できているというのを忘れてしまうほど楽しく充実したものであった。もし台湾に行く人がいたとしたら、私は是非ともこの太魯閣国家公園を薦めたいと思う。
今回の研修で、異文化というものは日本でみるのと海外に飛び込んで感じることには大きな違いがあるという事を改めて実感した。台北では異なる言語を使うコンビニ店員と注文を説明する為にジェスチャーを用いたり、今まで嗅いだことの無い空気の匂い、歩道のそばを恐ろしいスピードで走る車など、似ているようで異なる不思議な感覚を体験することが出来た、現地の人々との交流はコミュニケーションというよりは試合や格闘といった方が感覚的には近かったかもしれない、おかしなことに無意識の内に私は台湾と格闘していたのだが、それが刺激となり台湾という国への興味がさらに高まった。
今回の研修で良くも悪くも忘れられないのが人生で初めて腹を下したということである、私は何を食べても大丈夫というくらい胃の免疫力には自信があったのだが、5 日間という短い期間に日常的に体に取り入れない物を摂取するというのは、食べ過ぎたのもあったかもしれないがけっこうな体験であった。海外に長期で行くには日本人の観光客としてというよりは、旅先の現地に馴染むくらいの感覚で行っても良いのかもしれない。人によっては胃薬と葛根湯を持ち込むと良いのではないだろうか、これらの数々の体験を通じて私は苦労こそしたが、より多くの世界を見たいという好奇心と他国語を習得したいという目標ができた。この高揚感とやる気をいつまでも維持しながら大学生のうちに可能であるなら様々な世界や文化に触れて見たいと思う。


海外専門研修(台湾)の感想【現代社会学科 生沼 美夏さん】

私にとって 2 度目の海外となりました。以前の私なら考えられないようなことですが、なせば成るものだと思います。
 今回の研修では台湾の国立公園をまわりました。日本とはどことなく似ているものの自然環境や文化の違いを感じ、やはり海外なのだと思い知らされました。私の中では野柳地質公園が一番印象に残っています。地質は保全が難しく、特にクイーンズヘッドは近く無くなるのではといわれていますが、保護しないのですか? という問いかけに対し自然のだから自然のままにする。という返答がありました。野柳地質公園のように自然のままにするか、何かしらの方法で形を残そうとする、どちらも保全の形であると思います。
 また台湾の公用語は台湾語や中国語のため日本語はもちろん英語(私はしゃべれないのですが)も通じにくく少々苦戦しました。一緒に行った仲間は日本語で話しかけられていたようですが、私が少し離れて行動していた時に何かと台湾語か中国語で話しかけられてしまいました。お土産を売る店員の方は総じて押しが強く、ついつい買いそうになります。これはこれでよい経験となりました。
 最後にこの感想を読んでいる学生の方へ、特に消化器官が弱い方。海外に行くにあたって重要なアイテムがあります。それは胃薬です。特にセイロガンです。海外と日本の食文化は全く違います。なれていないとかなりの確率でお腹を壊します。セイロガンの中でも糖衣 A セイロガン(ポケットタイプ)がおすすめです。独特の臭いと味少なく簡単に飲むことができます。もしくは水なしで飲めるクニヒロという胃薬もがあると安心です。水は買ったものを飲みましょう。水道が飲める国は少ないためです。このようなことを聞いて少々不安になってしまうかもしれませんがご心配いりません。
 このようなことも良い経験、良き思い出、良い笑い話となります。これからこの先同じような経験ができるかわかりませんから、今後もいろいろなことに挑戦していきたいとおもう海外研修でした。


台湾海外専門研修で得た事【現代社会学科 染谷 嵩久さん】

今回の目的は日本にも所縁のあるタロコ国家公園や陽明山国家公園、観光地としても人気のある野柳地質公園を訪れ、日本と台湾の公園管理の違いについて学びたいと思ったからである。また卒業論文でオーストラリアの国立公園を調べているうちに国立公園の歴史などにも興味を持っていたころ、丁度、台湾研修があり、台湾の国立公園についても学んでみたいと思ったからである。以前にもベトナムの海外専門研修を受講しており、今回の台湾は単位と関係ない。単位ももらえないで台湾に行くぐらいなら自分で手配して安く観光したほうがいいのではと思われるかもしれないが、そんな事はなく、むしろそれ以上の経験をすることができた。
 8月27日の夜に台湾の桃園空港に到着した。外気はじめじめとしていて、体は汗ばみ、ナンプラーや八角が混ざった様な匂いが漂っている中、私は台湾に来た嬉しさと好奇心を持ちながらホテルに向かった。次の日には故宮博物院、忠烈祠、九份の観光をした。この日は私と年齢が近い公園局のフェベさんが丁寧に案内をしてくれた。彼女は私と年齢が近いのだが知識が豊富であり、何よりも故郷のことをよく知っている。私も自分の目標に向けて前向きに努力していこうと思えた。更には日本でいう環境省のトップの方々と小龍包で有名な鼎泰豐という店で食事を交えながら話をした。普通ではありえない VIP 体験だったため緊張したが、ぎこちない英語で気になる疑問に思った点や台湾の公園管理について話を聞くことができ、とても良い体験をすることができた。
 念願だったタロコ国家公園では日本人レンジャーのリエさんによる解説を聞きながら散策をし、タロコの迫力ある渓谷や賑わいを見せる木々や川の大自然、原住民の生活、公園管理の現状を学ぶことができ満喫することができた。昼には民族料理を頂いた。この様な体験はもちろんタロコ以外でも経験ができるかもしれないが、文化や自然を保護していく人々がその中でもとても重要な役割をしているのだと感じた。勿論、これは国立公園内のみではなく私たちの私生活にも自然や文化が大きく関係していてとても身近なことだと改めて考えさせられた。ビジターセンターでは親泊先生とセンターの方々のハイレベルな意見交換が行われた。私も言葉の壁にぶつかりながら必死に食いついたが、上手く伝えたいことが伝えられず悔しい思いをした。だが、以前に海外専門研修でベトナムを訪れていなかったら、ただ口をあいて聞いているだけで、少しも理解できなかっただろう。悔しさの一方で、本当にベトナムの海外研修に参加しておいてよかったと改めて感じた。また、野柳地質公園で海風や地殻変動によって作り出した地形や奇岩を、地質研究の教授やガイドの同行の下で見学する事ができ、本当に贅沢な研修となった。
 台湾研修のメンバーの中で上級生としての参加でプレッシャーも感じた。だが、台湾での貴重な体験や後輩と一緒に学んだことで自分には無かった考えや知識、自分自身の意見をしっかり持つといった事が以前より身に着いたと思えたのは大きな一歩だと実感できた。正直なところここでは説明ができず割愛したことが多いが、もし海外に少しでも興味があるなら是非このようなチャンスを活用してほしいと思う。また、運よく江戸川大学の職員の方々とも行動することができ、更には貴重なアドバイスなども頂きとても良い刺激となった。たった 5 日間といった短期間ではあったが、それ以上に学んだことが多かった。自分をもう一度見直すきっかけにもなったし、未熟さを痛感することもできた。私にとってはとても素晴らしい報酬であり、より目標に向けて努力していこうと思えたのである。同行していただいた皆様に心から感謝している。