海外研修
海外専門研修

ベトナム専門研修

2014 年度

海外専門研修(ベトナム)

(学生 8 名+引率教員 1 名+ガイド 1 名) 10 名

行程月/日地名時刻交通機関スケジュール
19 月 8 日(月)羽田国際空港発
ハノイ着
08 : 55
12 : 05
NH857空路 ノイバイ空港へ
着後 昼食レストランへ
午後ホテルチェックイン
29 月 9 日(火)クック・フォン国立公園ニンビン市経由でベトナム最古の国立公園クック・フォンへ 霊長類レスキューセンター、タートルセンターへ
昼食後、公園内の文化・自然遺産トレッキングツアー
39 月 10 日(水)ハノイ発終日ハノイ市内視察
ホーチミン廟、ホーチミンの家、大統領府、一柱寺、文廟、クラフトリンク、ヴィンコンショッピングモール、ドンスアン市場等見学
夕食後水上人形劇見学
49 月 11 日(木)サパ少数民族のメッカ、世界の棚田七選に選ばれたサパへ出発(約 380 ㎞、約 10 時間)
着後ホテルチェックイン
59 月 12 日(金)サパ午前:シン・チャイ村の少数民族の小学校で環境教育及び国際交流を実施
午後:タ・ヴァン村の民宿にて Community-based Tourism( CBT )について学ぶ
69 月 13 日(土)サパサパ近郊の Ma Tra village と Ta Phin village をエスニックガイドの案内で訪問。村の課題について現地の人と意見交換。
79 月 14 日(日)サパ発
バックハー発
早朝サパを出発。バックハー市場を見学してハノイへ
89 月 15 日(月)世界自然遺産チャンアン景観複合体を見学
99 月 16 日(火)ハノイ発
羽田発
14 : 00
21 : 05
NH858羽田空港通関後解散

モン族の村の小学校を訪問

学生によるダンスの披露

学生と小学生との綱引き

折り紙で小学生と交流

米作りが盛んな村を訪問

モン族の子どもたち

ザオ族の子どもたちと交流

オートバイが多い首都ハノイ

引率教員 親泊 素子 教授

今年の海外専門研修「ベトナム」は 9 月 8 日から 16 日までの 9 日間、8 名の学生の参加で実施された。今年のベトナム研修が従来の研修と異なった点は 3 つある。
1、環境国際協力に関心のある学生ばかりが集まった。
2、ベトナム最初の国立公園、クック・フォンを訪問した。
3、2014 年に指定されたばかりのベトナムの新しい世界遺産地域「チャンアンの景観複合体」を訪問した。
それでは以下にそれぞれの項目について詳細に説明してみよう。

1、環境国際協力に関心のある学生ばかり集まった。
途上国の支援活動をやってみたいと昨年から熱望していた男子学生ばかり 8 名が参加することになった今回の旅は最初から最後まで熱気溢れる研修だった。第一回目の事前研修から気迫あふれる議論が展開され、毎年訪問する少数民族の子供たちが通うシンチャイ小学校での環境教育プログラムの内容等についてたくさんの案が飛び出した。どのような踊りを披露するかに始まり、子供たちとのふれあいに持っていくもの、寄贈するプレゼントやそれらの買い出しの担当まで、学生たちが自主的に話し合い、それぞれが分担して準備を整えた。
シンチャイ小学校では、折り紙、けん玉、紙風船等の和玩具の他、サッカーボール、ゴムとび、縄跳びなどを持っていき、それぞれの担当の学生が、「さー、このゲームに興味のある子はこっちにきて~!」と叫ぶと学生の周りには大きな子供たちの輪ができ、「僕も」、「私も」という声に囲まれ、学生たちは汗だくで子供たちの相手をしていた。真剣なまなざしで折り紙を折ろうとする子供たちや、和玩具やサッカーボールなどに興じてキャーキャー楽しんでいる子供たちの姿に学生達も素直に感動していた。そして何もできないと思っていた自分たちが、ほんの少しの援助で子供たちをこれほど喜ばせてあげられるのかに気づき、学生たちは、心からここに来てよかったという達成感と満足感を感じたようである。また、シンチャイ小学校でも歓迎の一環として、ベトナム版和太鼓をたたいて歌や踊りを披露してくれた。また、校庭いっぱい二つのグループに分かれ、みんなで綱引きをしたが、その盛り上がりは言葉の壁を忘れさせるものであった。学生たちも子どもたちと一体となったと感じた瞬間だったと語っていた。しばしの交流の後、ここの子供たちに文房具、キャンディ、お米、洗剤などの日常品をプレゼントして喜んでもらった。帰りのバスの中で、学生たちは最高の体験をすることができたと興奮冷めやらぬ様子で語っていた。帰国すると今までの生き方を変え、新たな価値観で生活を始める学生もいるが、これもこういった貴重な体験からでてくるものである。

2、ベトナム最初の国立公園( Cuc Phuong National Park )の訪問
ベトナムで最初の国立公園ができたのが 1962 年。すでに半世紀を過ぎている。ベトナム戦争の後、ベトナム政府は経済発展のために 1986 年にドイモイ政策を提起し、同時にそれまでたった 2 カ所しかなかった国立公園を増やしはじめた。現在では 30 カ所以上もの国立公園を設立してきているが、果たしてベトナムの国立公園行政は本当に発展してきているのだろうか。そこでベトナム最初のクック・フォン国立公園を研修に組み込んだ。ニンビン市経由でバスに揺られて 3 時間で目的のクック・フォン国立公園に到着した。クック・フォン国立公園は入口こそ新たにレンジャーステーションを建設したり、入園料徴収の事務所も設けられていたが、公園内の施設は昔と全く変わらず、ビジターセンターに併設する博物館などは、館内も薄暗く、はく製の展示品もほこりをかぶった状態で、一目で昔できたままであることが分かった。予算が取れていないのである。また、ここの国立公園の目玉は貴重な霊長類レスキューセンターとタートルセンターなのだが、霊長類レスキューセンターはドイツ NGO による運営に頼っており、タートルセンターも予算がないのかお粗末な展示でないがしろにされていた。その後、パークレンジャーの案内で短いネーチャートレイルを歩いたが、ここでは意外に珍しい昆虫や植物を見ることができ、学生たちもクック・フォンに来てここを一番気に入ったようである。しかし、ベトナム初の由緒ある国立公園がこのような状態では、他の公園がいかばかりかは容易に察することができ、ちょっと残念な印象であった。

3、新しい世界遺産「チャンアンの景観複合体」の訪問
この新世界遺産の訪問は思わぬ予定変更により実現したものである。毎年最終日はベトナムの世界自然遺産のハロン湾を訪問するのだが、今年はちょうど台風とぶつかってしまった。クルージングが欠航になるという情報が伝えられ、旅行会社の臨機応変な対応によりベトナム北部の紅河デルタ地帯にあるチャンアンを訪問することができた。ハロン湾とはまた違った風景が広がっており、石灰岩の台地が作り出した奇岩を手漕ぎの船で潜り抜けられるように演出されている。川や湿地の合間を小さい船に揺られる事 3 時間、幻想的な風景を楽しむことができた。手漕ぎの船は最大 2 ~ 4 人の乗客数なので、ボートに乗りながら友達同士で仲良く話をすることができて学生たちは楽しかったようである。また、手漕ぎといえ、櫓をこぐのはほとんどがベトナムの中年の女性たちで、さすが 3 時間も手漕ぎは疲れるとみえ、後半は足を使って櫓をこいでいた。しかし、足で櫓をこぐ様はまさに技術を要する技で、手漕ぎ足漕ぎの風景もさまになる風景だった。この「チャンアンの景観複合体」世界遺産は、2014 年の世界遺産会議で指定が決まったもので、9 月に訪れた我々は指定が決まったばかりの世界遺産を訪れたことになり、記念すべきエクスカーションであった。
以上のように、今年のベトナム専門研修は従来の研修と異なり、環境国際協力だけではなく、ベトナム最古の国立公園からベトナムで一番新しく指定された世界自然遺産まで多彩なメニューを入れ込むことで、様々な体験と学びの研修となった。帰国してから、再度のベトナム挑戦を企てている者、卒論のテーマに選ぶもの、将来の職業として途上国支援を目指す者等、それぞれの思いを新たにする夏の専門研修でもあったようである。そして何よりも全員が英語の勉強を始めたことが大きな成果と言えよう。すでに現在、オーストリアに留学した学生もいるのである。