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2017.09.06

現代社会学科・新潟県宿根木活性化プロジェクトレポート②

プロジェクトに参加している清野隆ゼミ生

社会学部現代社会学科の清野隆ゼミ(観光学・地域再生コース)が『平成 29 年度 大学生の力を活かした集落活性化事業』で新潟県佐渡市宿根木の集落活性化調査研究業務を実施しています。学生は宿根木集落を訪問し、地元住民の皆さんと相談しながら、集落活性化に向けた新しい事業を提案します。調査研究の様子は本ウェブサイト内で数回に分けてご紹介します。

レポート②となる今回は、8 月上旬の宿根木初訪問の様子を紹介します。
2 泊 3 日のスケジュールで行った初訪問では、宿根木の皆さんに集落の課題(竹林・雑木林、観光、町並み保全など)についてお話を伺いました。また、宿根木集落の町並みと竹林もご案内いただき、地域資源の現状を教えていただきました。空いた時間に、各自フィールドワークを行い、若者の視点から宿根木の資源や問題を発見することに努めました。
宿根木は、すばらしい資源の宝庫です。千石船、廻船、船大工、はんぎり(たらい船)、伝統的建造物群保存地区に選定された町並み。そして、宿根木に暮らし、これらの資源を保全活用している住民の皆さん。これらの資源を求めて、たくさんの観光客が訪れており、とても活気溢れるところです。
そういう宿根木で、学生がお手伝いすることになったのは、里山(雑木林・竹林)の保全活用についてです。人口減少と高齢化のため、里山の手入れが十分にできていないことが集落の課題だそうです。里山を手入れできるかどうか。手入れ後には、間伐材を活用して、宿根木に新しい特別さを生み出せるかどうか。これから宿根木の皆さんと一緒に考えていきます。
宿根木の皆さんが注目していて、かつ非常に興味深い地域資源に、『江』とよばれる農業用水路があります。近代以降、廻船業と船大工の仕事が衰退する中で、宿根木は農業に活路を見いだしました。その時に開発された農業用水路が里山に眠っているといいます。『江』は、美しい町並みと同様に、現代の宿根木を語る上で必要不可欠な資源だということが分かりました。里山の保全活用を、『江』の再生と連動させることができたら、とても面白い展開になりそうにだと学生たちは感じています。
最終日には、事前調査と初回調査を踏まえて、学生たちはいくつかの提案を行いました。まだ粗い提案ですが、興味を持っていただけた提案もありました。これらの提案を実現可能なものに磨き上げることが、これからの調査研究の課題です。

宿根木の皆さんとの顔合わせ。本事業で取組む課題を確認。

手入れが行き届かずに荒廃した竹林を見学。

竹を灯りに加工する工房を見学。

復元された千石舟『白山丸』の内部の様子。

最終日に学生たちが調査成果を発表。



<参考リンク>

現代社会学科・新潟県宿根木活性化プロジェクトレポート①


『宿根木を愛する会』のウェブサイト


教員紹介:清野隆講師


社会学部 現代社会学科

宿根木の課題である荒廃した里山の現状を視察。

灯りとして活用される竹。

地域資源の一つである称光寺川に点在する洗い場。

学生からみた地域資源の整理。

宿根木の皆さんと調査成果の意見交換。

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