江戸川大学では、3年次に所属したゼミナールで専門研究を行い、4年次には卒業論文を執筆します。各ゼミの指導教員は卒業論文のうち優秀な論文を優秀論文として推薦します。優秀論文発表会では、優秀論文を執筆した学生がプレゼンテーションを行い、最も優秀な論文が選考されます。

2018年度 優秀論文

最優秀論文
「新規女性ファン獲得についての考察千葉ロッテマリーンズを事例として―」
秦愛海さん(広岡勲ゼミ)


<論文概要>
日本のプロ野球というものは、1936年にリーグ戦が開始され、現在も多くの人に愛されるプロスポーツである。そして、毎日のように試合が行われるプロ野球にはファンが存在する。実際に球場に行くファンもいれば、家でテレビの前から応援することを楽しむファンもいる。それらのファンは、チームにとってなくてはならない存在であり、彼らのチケット代などが球団の運営費となっている。
2014年、流行語大賞に選ばれた「カープ女子」という言葉から、プロ野球界における女性ファンの存在は大きくなった。今ではどこのチームの試合でも、若い女性を多く確認することができる。そんな中、それぞれの球団は女性ファンをどのように捉え、新規の女性ファン獲得に向けてどのような活動をしているのだろうか。増加する新規女性ファンの行動心理と、各球団の女性向け活動の取り組みとの関係に着目した。
各球団は、新規の女性ファンを増やすために女性向けイベントを行っていると考え、その仮説を検証するための調査を行った。また、私自身がファンである千葉ロッテマリーンズの女性ファンを対象に、アンケート・インタビュー調査を実施した。千葉ロッテマリーンズの女性ファンと他球団のファンとの違いや、女性向けイベントの違いについて考察する材料とした。
セ・リーグ、パ・リーグ共に女性向けの取り組みは存在しており、各チームが女性ファン獲得を望んでいることが明らかとなった。また、千葉ロッテマリーンズでは新規の女性ファンよりも、以前からの女性ファンが来場しやすい環境が整い始めていることが確かめられた。女性向けイベントに関しては、ターゲットとなる女性を絞り、目的を明確にすることで女性の関心度を高めることができそうである。女性ファンの性質や、考え方を理解することが女性ファンを増加させる一番の方法だと言えるだろう。

<選考のポイント>
この論文は、日本のプロ野球球団が女性ファンをどのように捉え、新規の女性ファン獲得に向けてどのような活動をしているのか、明らかにしようとした研究です。
秦さん自身がファンである千葉ロッテマリーンズの女性ファンを対象に、インタビューとアンケート調査を実施したところ、新規の女性ファンよりも、以前からの女性ファンが来場しやすい環境が整い始めていることが確かめられました。

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