江戸川大学では、3年次に所属したゼミナールで専門研究を行い、4年次には卒業論文を執筆します。各ゼミの指導教員は卒業論文のうち優秀な論文を優秀論文として推薦します。優秀論文発表会では、優秀論文を執筆した学生がプレゼンテーションを行い、最も優秀な論文が選考されます。

2015年度 優秀論文

最優秀論文
「夢内容の記憶保持に関する研究」
甲斐里穂さん


浅岡章一ゼミの専門分野は、睡眠学です。甲斐さんは、夢内容の記憶保持に影響する要因に関する研究を行いました。夜間睡眠時の脳波を測定しながら、夢を見ている時の睡眠段階であるREM睡眠時に参加者を起床させ、夢内容の報告と評価をさせました。その結果、普段よく夢を見ると回答した参加者は、実験中のREM覚醒による夢の報告回数も多い傾向にありました。さらに起床7時間後の午後4時に再度夢を報告させ、夢内容の記憶の程度を調べたところ、普段夢をよく見るという参加者であっても特に具体的な夢の長時間にわたる記憶能力に優れているわけでは無い事が示唆されました。

卒業論文要約

「大学生における課題着手の先延ばしに関する研究」
高野竜太朗さん


中村 真ゼミの専門分野は、社会心理学です。高野さんは、調査対象者全員が受講している特定の科目を指定したうえで、直近に提出したレポートをいつから執筆し始めたのか(どの程度先延ばししたのか)を具体的に尋ねることによって、より現実に即した先延ばし傾向を測定し、セルフ・ハンディキャッピング゙、達成動機、自己効力感との関連に関する研究を行いました。

卒業論文要約

「入眠儀式を持っている人はどのような人か?~睡眠パターンとパーソナリティ特性を切り口として~」
鈴木加央里さん


福田一彦ゼミの専門分野は、睡眠学です。鈴木さんは、入眠儀式を持つ人がどのようなタイプの人であるのかを明らかにするための調査を行いました。入眠儀式は寝つきを助けるために行われることが多いにも関わらず、入眠儀式にこだわりを持つ人では、むしろ入眠儀式自体が寝つきを妨げている可能性が示唆されました。

卒業論文要約

「感覚記憶に対するトップダウン処理の効果-基礎的検討-」
中尾泰斗さん


高澤則美ゼミの専門分野は、実験心理学です。中尾さんは、感覚記憶という極めて短時間の間に起きる情報処理過程において、入力情報が感覚記憶から短期記憶へ転送される際に、意味の認識というトップダウン処理が感覚記憶を促進させる効果を持つかを検討しました。

卒業論文要約

その他の優秀論文は以下のとおりです。
・児童における筆記具把持の準備的研究 高橋美芙祐さん(野田 満ゼミ)
・子どもの認知する両親の養育態度と不登校傾向の関連 井上 翼さん(柴田良一ゼミ)
・日本における近代化と身体 丸山浩生さん(黒崎輝人ゼミ)
・昆虫食の衰退と復興の展望 遠藤未来さん(荒谷大輔ゼミ)
・大学生における動機づけと学習行動に関する問題 関山大樹(木村文香ゼミ)
・Big Fiveパーソナリティが対人ストレスコーピング゙に及ぼす影響-認知的評価媒介モデルの検証 遠藤真名美さん(松田英子ゼミ)
・大学生のアパシー傾向に関する縦断的研究-ストレッサー、アイデンティティの確立度およびソーシャルサポート受容からの分析 佐藤浩平さん(松田英子ゼミ)