江戸川大学では、3年次に所属したゼミナールで専門研究を行い、4年次には卒業論文を執筆します。各ゼミの指導教員は卒業論文のうち優秀な論文を優秀論文として推薦します。優秀論文発表会では、優秀論文を執筆した学生がプレゼンテーションを行います。

2017年度 優秀論文

「キャラ化するアイドル-カースト・ハビトュス・終わりの意識-」
綿引桃花さん(木内英太ゼミ)


<論文概要>
欅坂46の、AKB48など他のアイドルグループとは異なる特色を、スクールカースト、ハビトゥス、終わりの意識という概念を用いて論じる。アイドルグループが学校のクラスのようにキャラ化していて階級があり、「アイドルらしさ」を求められ、いずれアイドルは「卒業」するとアイドル自身やファンが意識する、という3つの論点から考察する。

<選考のポイント>
普段からコンサートや握手会などによく行っていて、そのフィールドワークとしての経験を、学問的な概念を応用することで上手く論文にまとめている。ファンとしての熱い気持ちと冷静な分析・批評が両々相まってバランス良くできている。

「子宮頸がんワクチン薬害をめぐる名誉棄損訴訟に関する考察」
佐々木修司さん(隈本邦彦ゼミ)


<論文概要>
自称ジャーナリスト・医師の村中璃子(ペンネーム・本名を明らかにせず)が、雑誌・月刊Wedge2016年7月号で「子宮頸がんワクチン薬害研究班 崩れる根拠、暴かれた捏造」を執筆、ほかにもこの時期の一連のWeb記事でも、研究班長の信州大学・池田修一教授が主導して捏造(研究不正)をしたと報道。池田教授は「捏造はしてない」と、2016年8月、名誉毀損訴訟を提起した。
この名誉棄損訴訟の社会的意義について、各ゼミ生が最も興味をもったポイントを切り口にそれぞれ卒論を執筆した。
小野瑞喜「被害者救済につながる可能性について」
佐々木修司「ジャーナリストのあるべき姿とは」
藤貫翔太「捏造の定義を論点として」
正木雄太「裁判の社会的影響に着目して」
余葭葦「薬害被害者への影響に着目して」

その他の優秀論文は以下のとおりです。
メディアが形成する足立区のイメージ-実地調査とアンケート集計の分析をもとに- 長山梨央さん(林香織ゼミ)
流行確実!ニューヨークハイブリッドグルメBest5(内藤和明ゼミ)
生活実用情報誌における個々の雑誌の特性-「オレンジページ」、「サンキュ!」の比較と分析- 志摩千尋さん(清水一彦ゼミ)
人が怨霊となり、神になるのは何故か 角田政和さん(佐藤毅ゼミ)
日本の擬人化作品について 塚本千尋さん(西条昇ゼミ)
企業博物館の存在意義と価値-コーポレートコミュニケーションの観点から- 岩井千明さん(江間直美ゼミ)
「人工知能」が導く棋界の進化-将棋における「シンギュラリティ」(技術的特異点)に対する「需要」と「焦燥」- 菊池修登さん(植田康孝ゼミ)
八千代市における時平神社建立に関わる考察-藤原時平をめぐる八千代市内の神社の実踏調査をもとに- 金芳辰樹さん(新井正彦ゼミ)