Profile 元プロ野球千葉ロッテマリーンズ ソフトバンクホークス取締役
小林 至 助教授
かつて史上3人目の東大卒プロ野球選手として話題に。退団後渡米し、コロンビア大学で経営学修士号を取得。帰国後は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍。スポーツビジネス・コース担当教員。 |
プロスポーツの真価はファンの満足度
北原 欧米のような選手の代理人ビジネスもまだ浸透していませんね。2002年にプロ野球巨人軍の松井秀喜選手が、FA*権を行使してメジャーリーグへ移籍希望する際、代理人がいなかったため本人が英語の辞書片手に身分照会文書をつくった話は有名です。私もNBA*選手の代理交渉を行うアメリカのエージェントを知っていますが、代理人契約のエキスパートとして高い専門性をもっています。欧米の多くのプロスポーツには代理人ビジネスが介在しますし、欧州のプロサッカーリーグの選手移籍契約などは莫大な資金が動くビッグビジネスです。
小林 やはり日本では、ビジネスとしての観点が欠けていたんですね。その点でもう一つ言うと、球団や競技団体の経営努力も足りませんねぇ。特にファンサービスの質はもっと高めるべきですよ。プロ野球やJリーグでも競技場が主要駅からずいぶん離れていたり、駐車場が無かったりアクセスがとても悪い所がありますよね。ファン軽視と言われても仕方がない。私はスポーツビジネスの基本は良質なスポーツエンターテインメントを創造することだと思いますが、今の状況はまだ程遠いですね。
北原 アメリカのプロスポーツビジネスは非常に細分化されています。興業を魅力的なエンターテインメントにすることを命題にきめ細かなサービスを専門業者が担っています。たとえば、大リーグは人気が落ちてくると、インターリーグ〈1〉を導入したり、プレーオフ進出〈2〉の球団数も増やすなど、矢継ぎ早に新機軸を打ち出した。また、NFL*やNBA*は球団の経営が圧迫されないように、サラリーキャップ〈3〉を導入しています。こうしたビジネススタンスは見習うべきでしょうね。
※FA「Free Agent」 ※NBA「National Basketball Association」 ※NFL「National Football League」
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