ひらめき☆ときめきサイエンス2016開催報告

眠りの不思議を科学する 開催報告

眠りの不思議を科学する~夢や金縛りの謎を解く~

開催日:平成28年8月9日 (火)
実施機関(実施場所):江戸川大学(C棟睡眠実験室等)
実施代表者(所属・職名):福田一彦(社会学部・教授)
受講生:中学生11名、高校生1名、計12名

当日のスケジュール

09:30~10:00受付
10:00~10:30開講式(あいさつ、オリエンテーション(眠りのクイズ)、科研費の説明)
10:30~11:40講義①「睡眠に対する正しい知識」 (講師: 浅岡章一)」
11:40~12:50ランチタイム・質問タイム
12:50~13:50実習①「ポリグラフ測定実習」
13:50~14:00休憩(おやつタイム)
14:00~15:30実習②「睡眠時の脳波を見てみよう」
講義②「眠りのメカニズム・評価方法」 (講師: 福田一彦)
15:30~16:00修了式(眠りのクイズ再挑戦、アンケート記入、未来博士号授与)
16:00 解散

実施の様子

開講式では、開講の挨拶の後、日本学術振興会研究員の長谷川剛先生より科研費の説明があった。その後、眠りに関するクイズが実施された。
開講式に続いて、「睡眠に対する正しい知識」について講義があった。乱れた睡眠習慣の悪影響に関する説明とともに、適切な睡眠をとるためのアドバイスも行われた。また、講義の中では、参加者があらかじめ記録してきた自らの睡眠パターンを確認する機会も設けられた。

午後には、まず脳波と眼電図の測定実習が行われた。参加者は複数のグループに分かれ、お互いに電極を装着した。その際、全員が交代で被測定者となり測定を体験した (右図は実際に測定された脳波と眼電図)。参加者は自らの脳波や眼電図を見ながら、眼球運動や目の開閉・瞬き等に伴う脳波・眼電図の変化について学習した。

続いて、「眠りのメカニズム・評価方法」についての講義があった。大学生1名を被測定者として睡眠ポリグラフを実際に測定し、睡眠の深化 (段階1~4) にともなうポリグラフ波形の変化をオンラインで見ながら解説が行われた。睡眠段階判定方法とともに、夢や金縛りのメカニズムについても解説があった。講義の最後には、眠りに関するクイズの答えあわせが行われた。

修了式では、本学の小口彦太学長から参加者一人一人に未来博士号の授与を行った。

プログラムに参加してくださった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

事務局との協力体制

企画総務課、入試広報課と連携し、当日までの準備、当日の実施、解散後の片付けに至るまで、問題なくイベントを実施できた。

広報活動

企画総務課、入試広報課との緊密な連携により、ポスターやチラシの作成、配布を行った。その結果、定員を上回る応募があった (当日はキャンセルした参加者がいたため、12名の参加となった)。

安全配慮

今回実習に用いた精神生理学的指標は安全性が高く、危険を伴うものではないが、万全を期して全ての参加者を対象に傷害保険に加入した。

今後の発展性、課題

電気生理学的な指標を用いた心理学を知ってもらうことで、こころを客観的に測る試みの面白さと難しさを知ってもらえたように思われた。今後は一人一人の参加者に、さらに多くの精神生理学的指標の測定体験をしてもらえるよう、計測装置およびプログラムの工夫をしていきたい。