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研究所・センター
国立公園研究所

国立公園研究所設立記念シンポジウム

「江戸川大学国立公園研究所設立記念シンポジウム~日本の国立公園80周年~」が、2014年11月2日に行われました。テーマは「国立公園の楽しみ方」。一般参加者は約125人で、学生や教職員をいれると150人近くの参加がありました。

パネルディスカッション

会場の様子

第1部の基調講演は日光金谷ホテル株式会社会長の井上槇子氏による「金谷ホテルのおもてなしの心」と筑波大学の教授で江戸川大学客員教授の伊藤太一先生による「国立公園の魅力―アメリカ、そして日本」の2つの講演でした。

井上槇子氏の講演は、日光金谷ホテルが100年以上にわたって受け継いできたものとは「おもてなしの心」である、とのお話でした。金谷ホテルは、日光東照宮の楽師であった金谷善一郎が、日光を訪れる外国人のために自宅を宿泊施設として開放したことに始まります。後に多くの外国人が避暑に訪れるようになると、金谷家ではまかないきれなくなり、ついに1893年に純洋式のホテルを開業しました。これが日本最古のリゾートホテルの始まりです。明治、大正、昭和の激動の時代にも金谷ホテルは一貫して変わらぬ「おもてなしの心」で宿泊客に接してきました。これが金谷ホテルが120年近い歴史を刻んでこられた理由です。また、同時に時代の求めるものを常に見据えながら、金谷ホテルのサービスを考えてきており、古き良き時代の食のメニューを掘り起こして、その味を再現したり、小山薫堂氏を顧問に迎え斬新なデザインを導入して、特別室を作ったり、宿泊客と従業員とのふれあいにユニークな名刺制度を導入したりと、古き良き伝統を守りつつ、新しい発想で、時代の先端をゆく経営にも心を砕いてきたといいます。

井上氏は金谷ホテル創始者、金谷善一郎の孫にあたり、金谷ホテルをここまで大きくしてきた功労者でもありますが、同時にずっと日光を見守ってきた人でもあります。その井上氏の日光国立公園観は、「これ以上できるだけ人の手を加えないことである」。自然の美しさは人がいじらないほうが美しい。したがって日光はこれ以上人の手を加えて欲しくないということでした。日光金谷ホテルの設立当時から現在までの貴重な記録写真の中には、まだまだ美しい自然が残る日光の写真もあり、井上氏の思いもうなずける気がしました。貴重な記録写真を使いながら、淡々と話される言葉の響きには荘厳さと凛とした空気が伝わってきて、会場の聴衆は感動しながらこの講演に聞き入っていました。後日、この講演を聞いた参加者が、すぐにその後で日光金谷ホテルに泊まりに行ってきましたと言っていたほどであるから、その影響がいかに大きかったかを想像できます。

続いて、伊藤太一先生の講演は、アメリカの国立公園体系の説明からアメリカの宿泊施設の概念や、後に日本の国立公園内の宿泊施設の整備にどのような影響を及ぼしたのかについてお話し下さいました。日本では国立公園というと、自然風景の美しい場所を想像しますが、アメリカの国立公園体系には、歴史地区も含まれ、日系人の収容所も国立公園体系に入っていたという事実は新鮮な驚きでした。また、アメリカでイエローストーンの切手が発行されると日本も真似て国立公園の切手を発行したとか、アメリカも日本も鉄道事業とかなり深いかかわりがあるというのも興味深いお話でした。また、有名な国立公園に存在するユニークなデザインの宿泊施設の紹介は、アメリカの全国立公園を踏破した先生ならではの貴重な写真の提供です。日本の国民休暇村構想の話等、日米の宿泊施設について幅広い解説をして下さり、国立公園宿泊施設の歴史的背景を理解することができる有意義な講演でした。

第2部は「国立公園の魅力とは」をテーマとするパネルディスカッションで、千葉大学名誉教授・江戸川大学客員教授の油井正昭先生にコーディネートをして頂きました。環境省の自然ふれあい室長補佐の宇賀神知則氏、自然公園財団の瀬戸静恵氏、休暇村協会の酒井久芳氏、伊藤太一先生の4人のパネリストが、なぜ日本の国立公園を訪れるビジターの数が減っているのかに対して意見を述べ、それではこれから行政や管理者はどうすべきか、また、一般の人たちに国立公園を理解してもらうには何をすべきか等について意見を述べて頂きました。残念ながら質疑応答の時間が充分とれず、聴衆からは残念がる声が出ていました。

所長 親泊素子教授

筑波大学教授 伊藤太一様

油井教授

日光金谷ホテル会長-井上槇子様

自然公園財団 瀬戸静恵様

休暇村総務部 川勝康弘様

休暇村館山総支配人 酒井芳久様

環境省自然ふれあい推進室室長補佐 宇賀神知則様